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Colon-cancer

大腸がん

大腸がんとは

大腸がんは、大腸粘膜に悪性腫瘍が発生するがんの一種です。主にS状結腸や直腸に発生し、そのほとんどは良性のポリープががん化して発生するか、大腸の粘膜細胞から直接発生することがあります。大腸がんの約7割がS状結腸や直腸に発生するとされており、この段階での良性ポリープの切除が将来の大腸がん予防に繋がります。初期のがんを放置すると粘膜の奥まで進行し、リンパ節を介して他の臓器に転移する可能性が高まります。そのため、大腸ポリープの段階での切除が非常に重要です。

その特徴的な症状には便秘、血便、腹痛などがあります。しかし、無症状のこともあり、定期的な大腸の検査が早期発見の鍵となります。

大腸がんは男女を問わず非常に多いがんで、日本では毎年15万人以上が大腸がんと診断されています。大腸がんによる死亡者も年間5万人を超え、男性では3位、女性では1位に位置するなど深刻な課題となっています。生活習慣や摂取物に注意することで、大腸がんのリスクを減少させることができます。早期に発見できれば、ほぼ100%の完治が期待できます。そしてその早期発見においてもっとも重要とされているのが、大腸カメラ検査です。

大腸がんの症状

大腸がんの症状は多岐にわたります。代表的な症状には、血便や下血、便通の異常(便秘と下痢の繰り返し、便が細い、残便感など)が挙げられます。おなかが張り、腹痛があることもあり、体重減少や貧血、嘔吐なども大腸がんの可能性を示す兆候です。大腸がんができた場所によって症状が異なり、小腸に近い側の結腸にできたがんでは症状が現れにくいことがあります。一方で、肛門に近い側の結腸や直腸にできたがんでは、赤黒い血便や便通異常、腹痛などがより顕著になる傾向があります。

しかし、大腸がんは初期段階では症状が乏しいことがあり、無症状のまま進行することがあります。そのため、便潜血検査で陽性が確認されたり、肉眼で見て分かる血便が出た場合は、大腸カメラ(内視鏡)検査を受けることが推奨されます。これらの症状が持続する場合は、適切な専門医に早めに受診し、検査を受けることが重要です。

大腸がんの原因

大腸がんの発症には複数の要因が関与しています。

食生活や生活習慣の乱れ

大腸がん増加の一因として、高たんぱく・高脂質の欧米型食生活が広まったことが挙げられます。脂肪分の多い肉食が増え、食物繊維の摂取が減少すると、大腸内の環境が便が溜まりやすいものになり、発癌物質が停滞することで大腸の粘膜にダメージが生じ、癌化が促進される可能性があります。

さらに、過度な飲酒や喫煙などの生活習慣の乱れも大腸がんの発症リスクを増加させます。これらの生活習慣に当てはまる方は、普段の生活を見直すことが重要です。

家族歴

家族歴も大腸がんの原因として考えられており、家族・身内に大腸がんに患った人がいる場合は発症確率が高まるとされています。そのため、家族歴を認識し、定期的に大腸の検査を受けることが推奨されます。

慢性的な炎症性腸疾患

また、慢性的な炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎やクローン病)がある場合も大腸がんリスクが上昇します。

年齢

年齢も大腸がんの発生に影響を与えており、40代からリスクが上昇し、60代でピークに達します。特に50代以降の中高齢者には、食生活や生活習慣の乱れによる後天性の大腸がんが多い傾向があります。一方で、若年層(20代〜30代)の大腸がんには遺伝子要因も関与しており、家族性大腸ポリポーシスや遺伝性非ポリポーシス大腸がんなどが挙げられます。

大腸ポリープの除去

大腸カメラ検査中に見つかる大腸ポリープは、日帰り手術でその場で切除することが可能です。この日帰り手術は入院の必要がなく、患者は検査当日に自宅に帰ることができ、経済的にも時間的にも負担が少ない利点があります。切除はほとんどの場合、5分ほどで行われ、痛みや不快感は感じません。ただし、切除後は当日のうちに安静とし、数日から1週間ほどの制限があります。切除は慎重に行われますが、稀に出血や穿孔(腸に穴が開く)といった偶発的な合併症が発生する場合があり、その際は数日間の入院や外科的手術(開腹手術)が必要となることもあります。治療が難しいと判断された場合は、適切な医療機関への紹介が行われます。

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